送金受取人の名称がサプライヤーと一致しない場合、どうすればよいか
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ある会社の営業許可証と、その会社の見積書を持っているのに、銀行口座は別の相手の名義。この状況では、「詐欺の証拠だ」と決めつけるか、「中国ではそういうものだ」と通してしまうかの、役に立たない両極端の反応が起きがちです。
受取人名の不一致は調査すべき理由ですが、それ自体で詐欺とは確定しません。別の貿易会社、授権された代理人、個体工商戸の経営者、または無断の送金指示など、さまざまな事情があり得ます。本ガイドでは、当事者の特定方法と支払い前に求める資料を説明します。
まず、翻訳や綴りの違いを除外する
受取人を第三者として扱う前に、2つの名称が同じ事業者の異なる表記ではないか確認してください。本土の登記名称は中国語ですが、銀行が表示する口座名は英訳、略称、音訳の場合があります。銀行記録上の口座名が登記主体とどう対応するかをサプライヤーに尋ね、その名義と口座番号を許可証の主体に結び付ける銀行発行資料を求めます。以下の類型が当てはまるのは、実際に別主体であるか、その対応を示せない場合です。これは名称の照合であり、口座の認証ではありません。
どの類型にも共通するルール
予期しない受取人や銀行口座情報の変更があれば、支払いを保留してください。以前から知っている電話番号など、変更依頼とは独立して確立した連絡方法で確認します。署名入り書類が添付されていても、いつものメールアドレスから届いたように見えても同様です。支払いを急がされても確認を省略しないでください。FBIの案内。
口座情報はメールだけでなく、契約書やプロフォーマインボイスにも記載します。それで本物になるわけではありませんが、後の変更を比較する基準になります。
類型A:香港企業が代金を受け取る
この形になる理由
中国本土では貿易代金の受取りに外国為替規則が適用されます。輸出代金は要件を満たす外貨口座に保有するか人民元に交換でき、銀行審査や書類要件は取引と適用規則によります。香港は外国為替管理を行っていませんが、銀行には顧客のデューデリジェンスと取引監視の要件があります。香港口座はコンプライアンス確認を回避する手段ではありません。SAFE、香港基本法、HKMA。
生産を本土で行い、香港企業が貿易や契約の役割を担う場合があります。この注文で売主なのか、関連会社なのか、授権された受領者なのかを確認してください。他のオフショア法域の会社にも同じ規則や慣行が当てはまるとは考えないでください。
明らかにすべき点
- どのような関係か。「うちの会社です」は主張にすぎません。独立して確認した出資関係は裏付けになりますが、同姓同名、共通の取締役、似たグループ名、共通住所だけでは、共通所有や今回の代金の受領権限は証明できません。法人株主がいる場合は、正確な法的主体と登記情報を照合します。ウェブサイト、カタログ、過去のインボイスは補助的背景として扱い、現在の受領権限の独立した証拠とはみなしません。
- 香港企業は売主か、それとも本土の売主のための受領者か。契約構造が異なり、納品義務を誰が負うかも異なります。
- 口座が後になって提示されたか、前の情報を差し替えたか、緊急性を伴っていたか。これらは、会社名、社歴、銀行所在地だけよりも、強く確認を要する事情です。
- 設立間もない会社なら、新設会社を使う理由を尋ね、支払い前に役割を確認します。
- 受取銀行が香港以外にある場合は、その所在法域を確認し、想定した支払体制と違う理由を尋ねます。
求める資料
- 香港企業の会社設立証明書と提出記録。関連する提出記録を入手し、情報の基準日を確認します。香港の非公開会社の周年申報書は申報基準日時点の情報を示し、新設会社は最初の提出期限前の場合があります。必要に応じて後の提出資料も確認します。公開記録には保護または一部非表示の個人情報があり、株主情報を最終的な実質所有者の完全な一覧とはみなせません。周年申報、保護される情報、重要支配者登記冊。
- 役割の書面確認。売主と予定受取人の双方に、正式名称、注文・契約番号、授権された送金情報を含め、この注文での役割を文書で示してもらいます。指定受取人への支払いで買主の義務が履行されるか、納品・品質・返金の責任を誰が引き続き負うかを契約に明記します。指示する人の権限を独立して確認してください。印、レターヘッド、会社ドメインからの返信だけでは不十分です。
- 実態に合った契約書。実際の売主と、別に授権された受取人がいればその主体を特定します。香港企業や貿易会社が売主なら、見た目をそろえるために工場を売主と記載してはいけません。
香港の受取会社に関する別ガイドでは、香港会社登記処を自分で検索する方法を説明しています。
類型B:貿易会社または輸出サービス会社
この形になる理由
工場が貿易会社や輸出サービス会社に特定の輸出業務を委託する場合があります。範囲は取り決めによります。SAFEは、サービス企業が自己名義で輸出し代金を受け取る代理モデルと、代金は受け取らず顧客を支援するサービスモデルを区別しています。すべての輸出代理業者が、契約上の売主、授権された受領者、税還付の代理人でもあるとは限りません。この注文の合意内容と実際の書類を確認してください。SAFEの案内。
買主側から見ると、製品と価格について工場と話していたのに、書類と口座は聞いたことのない会社のもの、ということが起こります。代理関係は、工場の規模や「よくある」という説明ではなく、資料と実際の役割に基づいて評価すべきです。
2025年改正、2026年3月1日施行の中国対外貿易法は、対外貿易経営者が経営範囲内で委託業務を扱うことを認めています。一般的な対外貿易経営者の届出は2022年に廃止されましたが、取引ごとの税関、外国為替、許可の要件が適用される場合があります。物品と代理業者の実際の役割に応じた要件を調べてください。経営範囲の文言だけでは、必要な許可をすべて持つ証拠にはなりません。現行法。
明らかにすべき点
- 工場は代理業者の中国語の正式な登記名称とUSCCを提供できるか。その主体は口座情報の名義と対応するか。銀行では英語名が表示されることがあるため、言語の違いを不一致とせず、対応関係を求めます。
- 契約上の売主はどの事業者か。正当な代理関係でも、代理業者自身が売主である必要はありません。重要なのは、契約に売主と受取人が記載され、納品・品質・返金の義務を誰が負うか、工場・貿易会社の片方または双方に対して執行可能な権利があるかが明確なことです。
- 独立して確立した連絡経路で、代理業者の権限ある代表者に連絡できるか。その代表者から独立した方法で確認を得てください。代理業者に接触する唯一の経路が工場の従業員なら、解消すべき確認上の不足です。
求める資料
- 代理業者の営業許可証。独立した事業者として特定し、登記情報と照合します。
- 工場と代理業者の代理契約、または少なくとも、この注文での代理業者の役割を示す工場の押印済み書面。工場だけの書面が示すのは工場の主張であり、それだけでは代理業者の権限、法令遵守の状況、銀行との取り決めは確認できません。他の書類と合わせて読みます。
- 受取人が明示され、銀行情報と一致し、納品・品質・返金の義務を負う事業者が明確な契約書またはPI。
類型C:個人の銀行口座
この形になる理由
登記された個体工商戸やごく小規模の工房は、経営者の口座を利用する場合があります。営業担当者が自分の口座への支払いを求めることもあります。また、個人への支払依頼が、そもそもサプライヤーから来ていない場合もあります。
契約上の売主が有限責任会社なのに個人への支払いを求められたら、いったん止まり、その人の役割、会社の授権、当該目的でその口座が代金を受け取れるかを確認します。会社の法定代表人であるだけでは受領権限は確認できません。個体工商戸なら経営者名義の口座が関係する場合もありますが、氏名一致だけでは不十分です。本土の規則には、要件を満たす個体工商戸、越境EC、市場調達貿易の受取りのための具体的な方法があります。適用される方法と銀行要件を確認してください。SAFEの個人外国為替案内、事業用決済口座。
明らかにすべき点
- 許可証は有限責任会社、口座名義は個人。会社が説明する理由は何か。書面化し、独立して確認できるか。
- 口座名義人の氏名が、手元のどの書類にも現れない。
- 「銀行の問題」「税務上の理由」「会社口座が監査中」と説明される。こうした説明だけでは可否は判断できず、会社自身の書面による授権と照らして検証する必要があります。
- 以前受け取った法人口座情報を差し替える依頼である。本ガイド冒頭のルールを適用してください。
求める資料
許可証が個体工商戸のもので、口座名義人が登記された経営者なら、許可証、本人との一致、口座の事業目的を示す資料を求め、契約に受取人を記載します。会社の許可証なら、その注文の受取人として個人を指定する会社の書面授権を求め、独立した経路で確認し、検証可能な説明を得ます。十分な回答がない場合は、解消するまで手続きを止めます。
整合した資料が示すこと、示さないこと
どの類型でも、問いは同じです。口座情報を送ったメッセージ以外の情報源による資料で、許可証の事業者と口座情報の事業者の関係を示せるか。そして、この注文でその相手に支払うことを売主が認めているか、ということです。
整合した記録は、主体や説明された関係の不確実性を減らせますが、送金指示の真正性、受取口座の説明どおりの支配、納品の実行までは確立しません。未解決の相違を明示したまま、独立した送金確認を終えてから進めるか判断してください。
会社登記検索は銀行口座の確認ではありません。予定している送金で利用できる受取人・口座確認を取引銀行に尋ね、売主が提供した銀行書類は独立して真正性を確認します。確認にも限界があり、納品や資金回収を保証するものではありません。
本ガイドの対象外
本ガイドは、受取人の特定とサプライヤーとの関係を扱います。銀行口座の所有者や運用者を確認するものではなく、支払条件、信用状、エスクローは扱いません。誤送金後の回収方法の助言でもなく、製造・出荷が実行されるかも判断しません。法律助言ではありません。
許可証、見積書、口座情報が一致せず、本土の事業者を登記情報と照合し、受取人と比較したい場合は、確認を依頼できます。